一般社団法人の機関と役員

一般社団法人を設立するためには、最低2名の社員(構成員)が必要であり、その社員から最低1名の理事を選任しなければなりません。

社員とは

一般社団法人の社員といっても、従業員のことを表すのではなく、一般社団法人の構成員(株式会社でいえば株主)のことです。

同じ非営利社団法人であるNPO法人では、この構成員である社員となる資格(条件)を限定することができません。この点、一般社団法人であれば定款で定めることにより、社員(構成員)となる資格や条件をある程度限定することができます。

社員が退社することは原則自由であり、逆に社員を退社させるには、社員が死亡したり除名されたりした場合を除いて、定款に退社となる場合を定めておかなければなりません。

社員総会とは

上記の社員で構成されるのが社員総会です。社員総会は、一般社団法人の最高意思決定機関になります。一般社団法人に関する一切の事項について、決議することができる機関です。

もっとも、理事で構成される理事会を設置した一般社団法人の社員総会は、法律や定款で定められた事項のみ決議できる機関となります。このあたりは、株式会社の株主総会と取締役会の関係と類似しているところです。

社員の議決権は1人1票ですが、定款に定めることによって差を設けることもできます。この点もまた、NPO法人と異なる一般社団法人の特徴のひとつです。

社員が多いときは代議制をとることもできる

一般社団法人への参加者が多い法人では、そのすべてを議決権を持つ社員としてしまうと、社員総会を開催することが難しくなってしまいます。そのため、一般的な会員の中から、議決権を持つ代議員を選挙などで選任して、その選ばれた代議員を一般社団法人法上の議決権ある社員とする構造を採用する法人もあります。

ただし、代議制を採用するときは、定款等で一定の要件等を備えておかなければならないなど一定の準備を要します。

理事とは

一般社団法人の業務を執行する理事は、社員総会で選任します。

理事の任期は、選任後2年以内に終了する事業年度のうち、最終のものに関する定時社員総会の終結のときまでです。

この期間の短縮はできますが、伸長はできません。理事の任期を5年や10年としたり、理事の中から常任理事を選定してその任期を2年より長くするといった定款を作成予定の団体をよく見かけますが、これらは公証人からの認証も受けられず、一般社団法人として設立することができません。

理事会とは

一般社団法人は、理事3名以上により理事会を設置することができます。

理事会を設置すると、一般社団法人の運営に関する決議のほとんどは、基本的に社員総会から理事会へ権限が移ります。このため、少人数の理事会によって機動的な法人運営が可能になります。

反面、理事会を設置するためには最低1名の監事を設置する必要が生じますので、比較的規模の小さな一般社団法人では機関構成が大がかりになりすぎてしまいかねません。

理事会は、最低でも3カ月に1回以上開催することが原則ですが、定款で定めることによって、年2回まで減らすこともできます。

監事とは

一般社団法人の監事は、業務の監査と会計の監査を行なう機関です。

理事の業務執行などを監査する役割から、理事との兼任はできません。監事の任期は、選任後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時社員総会の終結の時までです。

この監事の任期は、定款で定めることにより、4年の部分を2年まで短縮することができます。理事の任期と揃えておくと、重任登記の手続きなどのタイミングを把握しやすいメリットはあるかもしれません。

役員の報酬について

ところで、一般社団法人が非営利社団法人だからといって、法人の役員の報酬を支払うことができないというわけではありません。

株式会社のように役員報酬の額を設定して支払うことはできます。もっとも、報酬が多額であると、公益認定を受ける際などにマイナス要因となる可能性はありますから、設定するにしても一般的な額となるよう調整することが多いようです。

一般社団法人設立や設立後の運営でお困りの際は、まずはお電話にてご相談ください。初回相談は無料にて承っております。

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